UAV測量に必要な資格・免許

UAV写真測量

このテーマについては勘違いされやすいのでまず結論から書きます。

UAV測量に必要な資格・免許は2019年1月現在特にありません。

ただし、必要になる許可等はあります。また、関連する資格の有無によって運用方法は多少変わってきますので、今回の記事ではそのあたりの点について解説させていただきたいと思います。

UAV測量に関連する資格・免許には何がある?

UAVでの測量というのは、具体的に何をするのかを考えてみます。

  • UAVを飛行させる
  • 写真を撮影する、あるいはレーザースキャナーでデータを取得する
  • 点群から3次元モデルを作成して測位する(測量する)

これらの行為に関連する資格や免許は以下のようなものが考えられます。

  • UAV(ドローン)のライセンス
  • 測量士・測量士補の資格

これらの必要性について考えていってみましょう。

UAV(ドローン)のライセンスの必要性

勘違いされやすいポイントですが、現状UAVを運用するうえで免許やライセンスは必要ありません。というよりも、国が定める免許・ライセンスというものが存在しません。

現在存在するUAVライセンスは全て民間団体が発行するライセンスであり、法的な効力は全くありません。

後ほど解説する飛行許可・承認申請の際にはあった方が良いという意見を耳にすることがありますが、現実にはそこまで重要視されていません。

民間ライセンスを所有していると一部の書類を省略できますが、大した量ではありません。申請時に審査官が多少考慮してくれるというケースはあるかもしれません。

それではUAVライセンスは不要な存在なのかというと、「無くても問題ないが事業でフライトさせる以上はあった方が良い」というのが筆者の考えです。

民間ライセンスを取得することで、法律や規則といったルールを学ぶことができますし、飛行許可・承認申請の際に必要な知識・技能という基準も、スクールを卒業することで自動的に満たすことができます。

また、UAVのライセンスの実態がまだ民間に浸透していないため、公共測量はともかくとして、民間の測量業務や撮影業務においてはクライアントからライセンスの提出を求められることがあります。

先方に「UAVの免許というものは実は存在しなくてですね……」と説明するのも良いですが、現実的なケースとしては民間ライセンスであっても『操縦免許』を所持している方がスムーズに話が進むケースが多いです。

民間ライセンスで有名なものとして以下のようなものがあります。

  • JUIDA 無人航空機操縦技能資格
  • JUIDA 無人航空機安全運行管理者資格
  • DPA ドローン操縦士資格
  • DJI DJIスペシャリスト

これらの資格取得時には、何よりも「安全運航」という部分について徹底的に講習がなされますので、そういった面からも資格取得は行った方がよいと思います。

測量士・測量士補資格の必要性

こちらもややこしいポイントなので詳しく解説します。

まず、測量業務を行う場合には測量士の資格が必要です。これはUAV測量においても変わりません。

ただしこの測量士資格をUAVパイロットが所持している必要はありません。もし何の資格も持っていないパイロットに撮影を行わせる場合には、監督としての測量士と補助としての測量士補の方を別に用意する必要があります。

パイロットがこれらの資格を所持しているならば、測量事務所等に依頼する必要はなくなり無駄なコストをかける必要がなくなります。

いちばん良いのは自社で測量士の資格を持っている方がUAV測量を行うことだと思いますが、そうした人材がいない場合にはUAV測量を行える測量事務所に業務を委託することだと思います。

パイロットと測量士の別建てという無駄を省くことが重要になります。

許可等の必要性

以上のように、UAV測量を行う上で必須となる資格というものは厳密には存在していません。測量士は必須ですが、これは「UAV測量だから」ということではなく、全ての測量業務に対して言えることです。

ただし、資格や免許とは少し違いますがUAV測量を行うからこそ絶対に必要になるものがあります。それが許可や承認です。

必要となる許可等は、

  • 航空法における許可・承認
  • UAVが飛行するエリアの土地管理者の許可もしくは同意

この2点は必須となります。

まず航空法における許可・承認について。

UAV測量を行う際に抵触しやすい航空法上のルールに「人口密集地(DID)の飛行」、「目視外飛行」、「30mの距離を確保できない飛行」があります。飛行計画上これらのフライトが必要になる場合には、国土交通省航空局へ事前に飛行申請を提出し、許可・承認を受ける必要がありますので注意が必要です。

申請はフライト予定日の10開庁日前までに行う必要がありますので、余裕を持った許可等の申請を行ってください。

続いてUAVが飛行するエリアの土地管理者の許可もしくは同意について。

測量するエリア自体は、当然クライアントによる許可が下りていると思いますが、隣接する第三者の土地も飛行エリアに含まれる場合にはその土地の持ち主の許可等を別途取り付ける必要があります。

これは口頭での約束でも大丈夫ですが、もし無許可でフライトさせ土地管理者から訴えられた場合には民法上の不法侵入にあたりますので気を付けて下さい。

また、飛行エリアに道路が含まれる場合には、無許可での飛行は道路交通法違反に該当する恐れがあるため、こちらのケースでも土地管理者の許可が必要となります。

業務でのフライトは一般の方以上にルールの遵守が求められています。

資格や免許は必須ではありませんが、必要に応じてきちんと取得をすること。そして法律上のルールを守り飛行申請を行うこと。第三者の土地上空をフライトさせる場合にはしっかりと許可等を得ることを念頭において安全運航を心がけていただけたらと思います。