無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領

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UAV(ドローン)を飛行させるうえで避けては通れないのが、航空法が規定する『飛行禁止空域』『飛行禁止方法』の制限を超えて運用するための飛行許可・承認申請です。

今回はこうした航空法による制限と、飛行許可・承認の際の審査要領について解説したいと思います。

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領とは

まず記事タイトルでもある『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領』についてですが、一言で表現するならば

「申請が提出された際に許可・承認を与えるかどうかを決定する基準」

とでも言うべきものです。

申請を行えば、誰でもどんなドローンでも許可・承認がもらえるのかというとそうではありません。「きちんとこの基準を満たしている場合には許してあげますよ」と国が定めた基準が『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領』であり、国土交通省のHPで確認することができます。

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領

業務でドローンを飛行させる以上、全文をきちんと読むことが大切です。

ただ、初心者の方にはとっつきにくい内容となっているのも事実ですので、ここでは各セクションに何が書かれているのかのご紹介と、特に重要なポイントについて、簡潔に解説させていただきます。

原文を読む際の目次として使っていただければと思います。

無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領の主なポイント

目的について

この審査要領が何のためのものなのかが書かれています。要約は以下。

  • 本要領は、無人航空機の飛行に関する許可等について、その申請に関する所要事項及び許可等を行うための審査基準を定めることを目的とする
  • ここに定める基準はUAV運用に際して『最低限』遵守しなければならないものである

申請方法について

申請の方法や期限などが定められています。

  • 申請は、申請書のメール及び郵送、もしくはオンラインサービスで行う
  • 申請は飛行日の10開庁日前までに行う必要がある
  • 申請の種別(通常申請・一括申請・包括申請)
  • 飛行方法については緊急時の特例が認められることがある

許可等について

許可・承認についての規定がなされています。

  • 有効期間について(原則3ヵ月まで、最長で1年まで)
  • 内容に変更があった場合、変更届を提出する

許可等に係る基本的な基準について

最も大事なセクションと言えます。

許可・承認を認めるうえでの基本的な基準がまとめられています。

  • 突起物のないドローンであること
  • 位置や向きを判別できる灯火のあるドローンを使うこと
  • 操縦者がバッテリー残量を確認できること

以上が最低限必要な機能であることに加えて、許可・承認の内容によっては追加基準が定められています。

  • 遠隔操作可能なドローンの追加基準
  • 自動航行を行うドローンの追加基準
  • 機体重量(ペイロード含む)25kg以上のドローンの追加基準

上記の項目に当てはまる機体を使う場合には追加基準を満たしていないといけませんので注意して下さい。

また、操縦者に対しての基準もこちらで定められています。

  • 許可・承認を受けるためには10時間以上のフライト経験があること
  • 法律、規則、機体特性について十分な知識を有すること
  • 十分な技能を有すること(GPS等のセンサーが無くても、安定した飛行をさせられる程度)

さらに、安全に飛行させるため、運用者に対しての基準も定められています。

  • ドローンは原則無人地帯で飛行させること
  • 危険な運用、迷惑行為は行わないこと
  • 事故を起こしてしまった時の対応
  • ドローンの運用時は『許可・承認書』を携行すること
  • 各種マニュアルの整備を行うこと

飛行形態に応じた追加基準について

前セクションが基本的な基準を定めたものであるのに対して、こちらでは飛行形態に応じた追加基準が定められています。

  • 進入表面や高度150m以上での飛行を行う際の追加基準
  • 人家の密集地域(DID地区)での飛行を行う際の追加基準
  • 夜間飛行を行う際の追加基準
  • 目視外飛行を行う際の追加基準
  • 30m以上の距離の確保ができない飛行を行う際の追加基準
  • 催し物上空を飛行させる際の追加基準
  • 危険物輸送を行う際の追加基準
  • 物件投下を行う際の追加基準

飛行形態によって追加基準は違いますので、許可・承認を受ける内容に応じた追加基準を満たす必要があります。

こうして見ていただいた通り、『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領』を見ることで、どのようにすれば許可や承認がもらえるのかが判断できます。

繰り返しになってしまいますが、こちらの審査要領は重要ですので必ず原文を読んで基準に沿った申請を行っていただければと思います。


POINT
「許可・承認」あるいは「許可等」という言葉が使われていますがこれらはちゃんと意味があります。

『飛行禁止空域』を飛行させたい場合には『許可』となり、『飛行禁止方法』で飛行させたい場合には『承認』を受ける必要があります。

申請の際、例えば『夜間飛行』を申請したいのに『飛行許可申請』を提出する、というようなチグハグなことをしてしまわないようにしっかりと意味を覚えておいて下さいね。

平成30年9月に改正されたって聞いたけど……?

少し前に話題になった、2018年9月の『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領』の改正について解説します。

全体的に微修正されたのですが、大きく変わった(と言われている)点が「目視外飛行時の追加基準」についてです。ページで言うと21ページ目。セクションでは5-4が該当します。

こちらで、目視外飛行時に「補助者を配置せずに飛行させる場合」という細かな基準がきちんと定められました。この改正と併せて、国内初の補助者無し荷物輸送フライトを行ったことから「規制緩和」という表現がなされているのを見ましたが、実際には単純な緩和とは言えないと感じます。

元々の基準でも、人が立ち入る蓋然性が低い場所(山や離島など)では補助者不要での運用も可能となっていました。今回の改正ではこれに加えて、「やむを得ない場合には交通量の少ない線路・道路、DID地区ではない民家上空での一時的な飛行は認める」というように変わりました。

やむを得ない場合に限りという条件がついていますので、そこまで大きな規制緩和とは言えず、誰でも気軽に認めてもらえるというものではなさそうです。また、一時的な飛行というのは上空を横切る・離着陸するといったものであるとし、ホバリングは認められていません。

加えて、以前は無かった「補助者を配置しない飛行」についての基準が細かく決められました。安全面から見て良い改正だと思いますが、今回の改正が規制緩和という表現がふさわしいかどうかは疑問符がつくところです。