Phantom 4 RTKの詳細・特徴

機体・製品
DJI公式サイトより

RTK測位システムを搭載できるUAV(ドローン)はたくさんありますが、ある程度大型の機体になってしまうことが多く、民生機のような手軽なサイズでRTK測位を行いたいという要望が以前から上がっていました。

RTK測位に関してはこちらでも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

そんな要望を叶えてくれる形で登場したのが、DJIから発売されている「Phantom 4 RTK」という機体です。

今回はこの機種にフォーカスをあてて、機能や特徴を解説していきたいと思います。

Phantom 4 RTKの概要

Phantom 4 RTKは、民生機として完成度の高い機体であるDJI製「Phantom 4 Pro」をベースに開発されたRTK測位特化モデルのドローンです。

大きさは従来のモデルとほぼ変わらずですが、ボディには特徴的な突起が備わっており、これがRTKモジュールになります。

RTKモジュールの搭載+DJI独自技術により、これまで以上に簡易にスピーディーに、そして高精度に測位を行えることがこのドローンの強みであり、測量/マッピング/調査点検に活用できるというのがメーカー(DJI)の発表しているセールスポイントとなっています。

ただし、この機体のセールスポイントである「測量の手間の簡易化」については、現状の日本の公共測量では認められていない方法であるため、その点を踏まえて各特徴を見ていただけたらと思います。

Phantom 4 RTKの特徴

RTKモジュールの搭載により高精度の測位が可能なPhantom 4 RTK。

従来の写真測量では1平方キロあたり数十個の標定点を設置しないと実現できなかったセンチメートル単位の水平誤差を、標定点の設置無しで実現可能です。RTKの強みですね。

Phantom 4 RTKに搭載されているRTKシステムはRTK-GNSS測位、ネットワーク型RTKの両方に対応しています。

インターネット等でたまに「この機種は機体単独でRTKが可能!」という解説を目にすることがありますが、厳密にはそれは間違いですので誤解しないよう気を付けて下さい(RTK測位には必ず別の基準局が必要となります)

従来型のRTK-GNSS測位を行う場合には、DJIが発売しているGNSSローバーの「D-RTK 2 モバイルステーション」が必要になります。他社のGNSSローバーが対応しているかは現時点では不明ですが、使用できないのではないかと予想します。

ネットワーク型RTK測位を行うには4G通信のドングルを用いて電子基準点からの補正データを取得します。こちらの方法の場合、確かに基準局の設置は必要ありませんが、電子基準点の補正データを月額や年額で購入する必要があります。

また、Phantom 4 RTKには独自機能である「TimeSync」というシステムが搭載されています。

TimeSyncシステムは、フライトコントローラー/カメラ/RTKモジュールを絶えず調整するシステムで、測位データをCMOS(カメラのイメージセンサー)の中心に固定することで写真測量方式の結果を最適化し、センチメートルレベルの測位データを実現できるとしています。

これらの機能により、Phantom4 RTKは標定点を設置する必要なく前述の精度で測位可能となります。UAV写真測量の際に時間を要するのがこの標定点設置という作業。ここを無くすことで、現地での撮影にかかる時間を概ね75%削減できるとしています。

ただし、前述の通りRTK測位によるUAV公共測量は原則認められていません。UAV測量が頻繁に行われるi-Construction工事の基準においても、標定点無しは認められていませんので、日本ではまだ活躍する場所は限られそうです。

それ以外の主な機能としては

  • Mobile SDK対応で機能のカスタマイズ・自動化が可能
  • OcuSync伝送システム採用で最長7kmの距離で送受信(日本国内は5km。)
  • RTKで対応できないエリアや通信断絶時はポスト処理キネマティックの使用が可能

などを備えています

専用アプリ GS RTK

Phantom4 RTKの登場に合わせ、専用の飛行計画アプリ「GS RTK」が登場しました。

DJIの自動航行アプリは「GS PRO」が有名でしたが、新しくリリースされたGS RTKアプリはGS PROをブラッシュアップしたようなアプリとなっています。

機能面としてはそれほど目新しいものはないのですが簡単にご紹介しますと

  • ウェイポイントだけでなく、測量用の領域撮影モード
  • ラップ率の設定を行うことで、要件を満たして自動で撮影
  • オフィスで作成したフライトプラン(KMLファイル)を読み込み可能(新)

と、GS PROの長所がそのまま使えることに加えて、オフィスでのフライトプラン作成が可能になり利便性が向上しました。

他にも細かな点でGS PROから改善されている部分がありますが、長くなりますのでここでは割愛させていただきます。

Phantom 4 RTKの詳細

仕様詳細です。

  • プロペラ間サイズ:350mm
  • 重量:1391g
  • カメラ:1インチCMOS/メカニカルシャッター方式
  • レンズ:フルサイズ換算24mm F2.8
  • バッテリー:インテリジェントバッテリー 5870mAh 4S
  • 飛行可能時間:30分
  • 動画:最大4K30p

RTKモジュールを搭載したにも係わらず、重量がPhantom 4 Proとほとんど変わっていません。結果として飛行可能時間も変わらず30分を維持しており、このあたりは従来ユーザーから見ても満足できるのではないでしょうか。

その代わりにPhantom 4 Proと比べて劣化してしまっている部分もあります。

  • RAW写真の撮影が不可となりJPGオンリーに
  • 最大飛行速度が58km/hにダウン
  • 4K動画は30Pまで(Phantom 4 Proは4K/60P)
  • 動画形式はmov形式のみでmp4は不可

Phantom 4 RTKはあくまでも産業機であり、撮影性能を求めるのならば別機種を選択する方が良さそうです。

Phantom 4 RTKの価格

最後に価格についてですが、Phantom 4 RTKは定価が設定されておらずショップにも並んでいません。欲しい場合には、個別に見積もりをとって発注するという方法となっています。そのため、相場というのもあって無いようなものです。

あくまでも参考程度に留めておいてほしいのですが、以前に見積もりをとった方によると70万円~80万円程度といった見積もりが上がってきたそうです。

代理店によっても変わるかもしれませんが、あまりにも法外な価格だと感じたら別の代理店でも見積もりをとるようにしてみて下さいね。

DJI PHANTOM 4 RTK – A Game Changer for Construction Surveying