UAV(ドローン)レーザー測量について

UAVレーザー測量

当サイトではこれまで空中写真測量について解説を行ってきましたが、今回はちょっと視点を変えてUAVレーザー測量についての解説を行いたいと思います。

いきなりUAVレーザー測量を導入するという可能性はほぼ無いとは思いますが、写真測量との違い、メリットやデメリットなどを紹介していきますのでひとつの知識として覚えていただければと思います。

UAVレーザー測量の概要

レーザー測量と呼ばれる手法があります。

レーザースキャナーという専用の器具を用いて対象にレーザーを照射し、空間位置情報を計測する測量手法です。地上型のスキャナー、航空レーザー、モバイルマッピングシステムなどいくつかの種類が存在します。

UAVにこうしたレーザースキャナーを搭載することで、上空から短時間で広範囲の点群データを取得することを可能としたものがUAVレーザー測量です。

UAVレーザー測量で多く使われているのは、エコー方式(タイムオブフライト)と呼ばれる、「対象物にレーザーを照射して跳ね返ってくるまでの時間を計測し距離に換算するシステム」です。これはトータルステーションと同じ仕組みですね。レーザーの照射角度から対象物の座標を取得することも可能となっています。

昨年までは公共測量マニュアルにUAVレーザー測量についての規定が無く、イレギュラー扱いであったのですが、平成30年3月に国土地理院が「UAV搭載型レーザスキャナーを用いた公共測量マニュアル(案)」を公表され、晴れて正式に使用しても良い測量手法となりました。

写真測量との違い

レーザー測量の大きな特徴は、ダイレクトに点群データを取得できるという点になります。それも、1点1点計測していくのではなく、面的にレーザーを照射することで1秒間に万単位の点群を取得することが可能となります。ダイレクトに点群データが取得できるため、SfM処理は不要です。その代わりに「プロセッシング」という後処理を行って、取得データを点群モデルに変換してあげる必要はあるのですが、作業効率はグンと高まります。

UAVレーザー測量のメリットとデメリット

写真測量と比較したメリットとして挙げられるのは、枝葉の生い茂った林などでも地表面までレーザーが届き、データを取得できる点も挙げられます。

点群を取得して測量を行う上で草木は不要物であり、場合によっては測量のために刈ったり切り倒したりといった作業が必要となる場合がありますが、レーザー照射であればそうした余計な作業をすることなく地表面のデータ取得に期待が持てます。

ではデメリットは何かというと、なんと言っても「価格の高さ」だと言えます。レーザースキャナーは1,000万円以上するのは当たり前の代物で、中々普通の会社が持っているものではありません。

外注しようと思っても、UAVレーザー測量を請け負っている会社自体まだとても少ないため、数百万円単位の見積もりが出てくることも十分あり得ます。

便利な反面気軽に使えないという点が最大のデメリットだと言えるでしょう。

もうひとつ、これはデメリットというほどではありませんが、条件によっては空中写真測量の方が精度が高く出る場合があります。

草木のない裸地では写真測量の方が安価でかつ高精度な測量ができると、国土地理院が勧告しています。適材適所であり、なんでもかんでも「レーザーだから良い」というわけではないことは覚えておく必要があります。

UAVレーザー測量の活用方法は?

UAVを用いたレーザー測量の活用方法としては、工事における起工測量以外にも以下のようなものが考えられています。

  • 土砂崩れ・崩落といった災害時に現況を迅速に計測する
  • 樹木の伐採や資源の算出
  • 立ち入りの難しい場所のデータ取得
  • 等高線の生成

取得できる点群データの緻密さとスピード感、また断崖絶壁のような場所でも精度の高い点群を取得できることなどから、公共工事だけではない幅広い活用方法が期待されています。

以上のように、便利な技術である反面まだまだ気軽に扱えるものではないというのがUAVレーザー測量の現状ですが、これから先、使われる場が徐々に増えていく技術でもあると思います。

こうした手法が存在することを頭の片隅に留めておいていただき、自身の環境に必要かどうかをよく検討して、コストと折り合いがつく時が来た際には自社での活用も考えてみてはいかがでしょうか。