UAV(ドローン)写真測量の流れ

UAV写真測量

UAV(ドローン)を用いて写真を撮影し、写真から3次元点群データを作成するUAV(ドローン)測量ですが、今回はUAV(ドローン)測量の具体的な流れについて解説していきます。

なお、ここから先はUAV(ドローン)の表記をUAVというシンプルな表記に変えさせていただきます。基本的にはマルチコプターを利用した空中写真測量の手法であることを覚えておいて下さい。

 

UAV測量を行うために必要な機材

まずUAV測量の流れの解説をする前に、必要となる機材をご紹介いたします。

UAV測量には最低限、以下のものが必要となります。

  • 自動航行が可能なドローンとカメラ
  • 自動航行の設定を行うソフトウェア(アプリ)
  • 測量器具
  • 対空標識
  • 点群データを作成するためのソフトウェア(アプリ)

上記の機材等がどこでどのように必要になるのかは、後ほど解説していく中で適宜説明していきたいと思います。

それではUAV測量の具体的な流れについて、ひとつひとつ見ていきましょう。

 

UAV測量の流れ

UAVで公共測量を行う場合、国土地理院が出している「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」に準拠する必要があります。i-Construction注1はこの基準をもとに進められています。

「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」には、「UAV による空中写真を用いた数値地形図作成(第2編)」と「UAV による空中写真を用いた三次元点群作成(第3編)」の2通りの手法が記載されていますが、ここで解説するのは第3編の「UAV による空中写真を用いた三次元点群作成」になります。ドローン測量は、一般的にこの第3編に基づいた測量手法のことを言います。

第3編「UAVによる空中写真を用いた三次元点群作成」における作業の流れは、

下記のとおりです

注1.国土交通省が掲げる、ICT(情報通信技術)などを導入することにより、建設現場の生産性・魅力の向上を図る施策

作業計画

いきなり現場へ行くのではなく、まずは計画を立てるところから作業はスタートします。

使用する機材、人員配置、日程、自動航行のための飛行計画等を決定します。

予め飛行計画を作成しておけば現場での作業もスムーズに行うことが可能です。

計画立案時に重要な点が2点あります。ひとつ目は予備日をきちんと決めておくこと。UAVは気象条件に大きく影響を受けるため、予定日にフライトさせられないということが意外と多いです。予備日を設けておくことで、当日フライト不可能となってしまった場合でも慌てなくてすみます。

もうひとつは、許可・承認等をきちんと取得しておくことです。特に航空法に係る手続きは必須となりますので、事前に確認・準備をお願いします。

航空法では、「飛行禁止空域」「高度制限」「目視外」「30mルール」等、UAVを飛行させるための規制が多くありますので、注意が必要です。

また、航空法以外でも土地所有者の許可・同意が必要であったり、近隣住民等の迷惑にならない配慮が必要であったりしますので、作業計画では飛行計画以外にも考えられる安全対策や手続きを行う必要があります。

 

標定点・検証点の設置

次に標定点・検証点を設置します。標定点はドローン測量を行う際の基準となり、写真に座標付けを行うために必要となる点です。検証点は精度を検証するための点となります。

標定点及び検証点の測定は従来の測量手法で行う必要があります。トータルステーション(TS)や、衛星からの位置情報で測位するGNSSローバーを用います。

標定点・検証点の配置数及び場所については、UAVを用いた公共測量マニュアル(案)に基づき設置します。

標定点・検証点の測量は必ずしもUAVの飛行日に行う必要はありません。計画によっては予め行っておくことで当日の作業を短縮することができます。

標定点・検証点の観測ができたら、その地点に対空標識を設置します。対空標識はUAVで撮影した写真から各点を容易に確認できるようにするためということに加え、三次元形状復元ソフト(SfM = Structure from Motionソフト)によっては対空標識を自動認識できるため、各点への座標データの流し込みが楽になるというメリットもあります。

UAVによる写真撮影

標定点・検証点が設置できたら実際にUAVを飛行させて空中写真を撮影します。写真は前後左右の写真と重なる(ラップする)ように撮影する必要があり、基準では縦方向のラップ率が80%以上、横方向のラップ率が60%以上と決められています。

飛行アプリによってはラップ率を自動計算して飛行してくれるものもありますが、そうでない場合にはUAVの飛行高度とカメラ解像度、飛行速度等からシャッター間隔を計算して飛行させる必要があります。

基本的にカメラは真下を向けて撮影を行い、一定の飛行速度でインターバル撮影をしながら写真撮影を行います。一定の飛行距離ごとに自動で静止して撮影を行ってくれるアプリ(DJI「GS PRO」等)もいくつかあります。

ドローン測量に最も適している天候は曇りの日です。快晴で日差しが強いと影のよる影響が三次元モデル化の際に品質として出てしまう場合がありますので注意が必要です。とはいえ晴れの日がダメというわけではありませんので、予備知識として覚えておいていただければ大丈夫かと思います。

また、写真撮影後に現場で絶対にやっておいてほしいことがあります。それは「撮影した写真の確認」です。

撮影した写真を確認すると、意外と連続写真に抜けがあったり、ピンボケやブレが発生してしまっていることがあります。そうなってしまうと作成する点群の精度が低下したり、最悪の場合、点群の無いブランクとなってしまうことがありますので、現場を離れる前に必ず撮影した写真を確認するように心がけましょう。もし不備が確認された場合には再度撮影を行うようにして下さい。

 

三次元形状復元計算

無事に連続写真が撮影できたら、それらを三次元形状復元ソフト(SfM = Structure from Motionソフト)で解析し、三次元点群モデルを作成していきます。

SfMとは「Structure from Motion」の略で、異なる方向から撮影した複数の写真から、カメラと対象物との三次元構造を復元する手法のことです。

この原理については別途解説しますので、ここでは「ドローン測量には、SfMソフトというものが必要であり、それを用いて三次元点群を作成する」ということだけ覚えておいて下さい。

また、使用するSfMソフトにはいくつかメーカーがあります。基本機能はどれも同じですが、メーカーにより価格もバラバラ、モデルの出来栄え、品質にもそれぞれ特徴がありますので、目的・予算等に合わせ選択することをお勧めします。ちなみによく使われているSfMソフトは、Agisoft社の「Photoscan」、Pix4D社の「Pix4D」、ベントレーシステムズの「ContextCapture」です。

 

点群編集・三次元データファイルの作成

点群編集とは、SfMソフトで作成したオリジナルデータから必要に応じて、異常点の除去や点群の補間等を行い、グランドデータやTIN データ(サーフェスモデル)やDEM データ(一定の格子間隔で 地形の形状を表す)を作成する作業を言います。

また、三次元データファイルの作成とは、グラウンドデータ又は変換した構造化データから三次元点群データファイル(LAS形式,CSV形式,TXT形式,LandXML形式,TIN形式など)を作成し、電磁的記録媒体に記録する作業を言います。

 

以上がUAV測量の流れとなります。